「辛いときほど笑顔でいましょう」の罠とは

こんにちは。月森ゆりです。

「辛いときほど笑いましょう」
「妻やお母さんは家族の中で太陽のように笑顔でいることが大切です」と
言われることがあります。


口角を上げて微笑んでいるだけでも
表情筋が脳に伝わり
「楽しいから笑っている」という伝達されるので
幸せホルモンが出やすくなるそうです。
また、笑顔でいることで、周りにも笑顔が広がりコミュニケーションが
円滑にになるというメリットも確かにありますよね。

でも、私はカサンドラ症候群やモラハラ、共依存関係でお悩みの方や
人の気持ちに敏感すぎるHSPの方に対しては

「辛いときほど笑顔でいよう」を過信しないほうが良いと考えています

なぜなら、時と場合によっては
その作り笑顔が自分の本当の感情にフタをし続け
本音を心の奥底に追いやってしまう可能性があるからです。

例えば、
ご主人からモラハラを受けているという方のご相談を
受けているとき。
その言葉や態度が、ご自分の心身にかなりのダメージを受けているのは
明らかです。
それなのにご本人は
うっすら笑みを浮かべながらお話をされるのです。

「いつものことなので…」
「そんなに大したことではないと思うんですけど…」

そんな時私は心の中で
「そこは笑うところじゃないよ…」と
感じます。

でも、ご本人はおそらく無意識で笑っています。
無理して笑っている感覚ではなく
自分の感情の矛盾に気がつけないのです。

その無意識の背景にには
「弱みをみせられない」
「恥ずかしい」
「迷惑をかけてはいけない」
というような考えがあるからかも知れませんし
もっと違う不安や怖さがあるのかも知れません。
でもカウンセラーに対してはそんな気遣いは必要ありませんし
不安や怖さは一緒に癒やしていくことも可能です。

つまり、対人関係に悩みを抱えている人には
表向きの笑顔と
心の奥の本音の
ギャップにご自分で気づけることと
そのギャップを限りなく小さくしていくことが
(0にはなりませんが)
心を穏やかにするために必要なこと
なのです。

特に普段、周りから
落ち着いて見られていたり

笑顔が標準装備の対人援助職についていたり
普段から言いたいことを我慢しがちの方は要注意
です。
小さなギャップの積み重ねが、ストレスとなり
心身の不調の原因になっていることもあるからです。

なので私は
「辛いときこそ笑いましょう」
無理に笑顔を作るのではなく

「辛いときは笑わなくて良いですよ」
「自分の心の本音に敏感になりましょう」
言っています。

怒ること、泣くこと、悲しむこと、悔しがることなどの感情や
自分が嫌なこと、不快なことに敏感に気づいてあげることのほうが
心から笑顔になるために必要な場合もあるのです。

もし、この記事を読んで
自分の気持ちがわからなくなる時がある
つい、辛いときでも感情が表にでないタイプかも…
人と会ったあとにぐったりする…

と感じた方は専門家に話をしっかりと聴いてもらい
本音を引き出してもらうことで
ギャップを小さくしていくことができますよ。